IFRS(国際財務報告基準)

2015年か2016年に強制適用が考えられるIFRSですが、対象企業は上場会社の連結決算です。現行の貸借対照表、損益計算書は無くなり、新たに財政状態計算書および包括利益計算書が導入されます。

IFRSが適用になると、のれん代の償却不要、退職給付債務の一括計上、リース物件の資産計上、後入先出方の廃止、収益の純額表示、出荷基準の禁止その他現行の財務諸表とは大きく異なる処理が必要になります。

税効果会計

ここ数年、新聞紙上でよく目にする「税効果会計」、「繰延税金資産」について説明します。

損益計算書では、下の方に税引前当期利益、法人税等、当期利益という科目が表示されています。仮に税引前当期利益を100、税率を30%としますと、金額はそれぞれ100、30、70となります。しかしながら、企業会計上の利益が「収益」から「費用」を差し引いて計算するのに対し、税金の計算は「益金」から「損金」を差し引いて課税所得を算出するため、そこに差異が生じます。上記の100の内、損金とならない債権の貸倒損失が20あるとすれば、法人税等は36{計算は(100+20)x30%}ですので、それぞれの金額は100、36、64になってしまいます。

それでは、上記の例で税効果会計を使ってみます。次期にその貸倒損失20が損金になると見込まれれば、税引前当期利益100、法人税等36、法人税等調整額(税効果会計に特有の科目)-6となる結果、当期利益は70となることがわかります。そして、この-6に対応する借方科目が貸借対照表上の流動資産である「繰延税金資産」です。

税効果会計の目的は、「税引前当期利益」と「法人税等」との金額の関係が期間的に対応していないものについて、調整して適正な関係にしようというものです。貸倒引当金繰入れや貸倒損失は、税務上、損金算入限度額や損金算入の時期について一定の基準が設けられていますが、企業会計上は不良債権処理でもご承知のとおり、繰入額や損失額の計上はかなり多くなっています。このような差異を調整するため、税効果会計が必要になるのです。ただし、将来の利益の見積りを基礎に繰延税金資産が計算されますので、恣意性が排除されることが要求されます。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書とは、会社の現金の流れを基に作成される財務諸表です。平成11年4月1日以後開始事業年度から有価証券報告書提出企業は、連結キャッシュフロー計算書の作成が義務付けられています。

キャッシュフロー計算書が採用された理由は、①企業が異なる会計処理方法(例えば、減価償却における定額法と定率法。)を選択すると、現在と過去の比較や企業同士の比較が難しいこと、②欧米では企業や新規プロジェクトへの投資に当たり、従来からキャッシュフローが重視されていたこと(グローバルスタンダードに近づける。)、③会計処理を利用して粉飾決算が行われることを防止することなどが挙げられるでしょう。

キャッシュフロー計算書は、その中身が①営業活動によるキャッシュフロー、②投資活動によるキャッシュフロー、③財務活動によるキャッシュフローの3つに区分されています。「営業活動によるキャッシュフロー」には、商品や役務の販売による収入、商品や役務の購入による支出など営業損益計算の対象となった取引などが記載されます。「投資活動によるキャッシュフロー」には、固定資産の取得や売却、現金同等物に含まれない短期投資の取得や売却などによるキャッシュフローが記載されます。「財務活動によるキャッシュフロー」には、株式発行による収入、自己株式取得による支出、社債の発行・償還や借入れ・返済による収入・支出など資金の調達や返済によるキャッシュフローが記載されます。

企業結合会計

企業会計審議会は、平成15年10月31日に「企業結合に係る会計基準の設定に関する意見書」を公表しました。従来、合併等に対して明確な会計基準が存在しなかったことを是正するためのものです。

意見書によりますと、企業結合を「取得」と「持分の結合」に区分して、前者には「パーチェス法」(取得資産、負債を時価で受け入れます。)、後者には「プーリング法」(資産、負債、資本を適切な帳簿価額で引き継ぎます。)を適用することにしています。 企業結合会計の実施時期は、平成18年4月1日以降開始事業年度からです。

減損会計

バブル崩壊後、土地の価格が暴落し、収益性が低下しています。従来の取得原価主義の立場では、このような資産価値の低下があっても当初の取得価格のまま貸借対照表に表示されていたため、資産価値が過大になっていることが少なくありませんでした。このような問題を解決するため、企業会計審議会は平成14年8月9日に「固定資産の減損に係るか貴兄基準の設定に関する意見書」を公表し、続いて平成15年8月31日に企業会計基準委員会が「固定資産の減損に係る適用指針(案)」を公表しました。

これらの会計基準によりますと、対象となる資産は固定資産ですので、有形、無形を問いません。また、のれんについても減損会計の対象になります。減損損失は、資産の回収可能価額である正味売却価額と使用価額とのいずれか高い金額と帳簿価額との差額をいいます。この使用価額の算定は、将来キャッシュフローを基礎としますので、企業に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて見積もることとされています。

減損損失の開示は、貸借対照表においては、原則として減損処理前の取得原価から減損損失を直接控除し、控除後の金額をその後の取得減価とする形式で行い、一方、損益計算書では、原則として特別損失に計上します。

減損損失の実施時期は、平成17年4月1日以後開始事業年度から適用することが適当であり、また、平成16年4月1日以後開始事業年度から適用することを認めるよう措置することが適当であると意見書で表明されています。さらに、平成16年 3月31日から平成17年3月31日までに終了する事業年度に係る財務諸表および連結財務諸表についても適用することを妨げないとされています。